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「独身男性は孤独死する」と言うのは誰なのか

日本だけではなく世界でも婚姻率が低下し、いよいよ独身者が世に溢れています。というのはややオーバーな表現ですが、全世界的に少子高齢化の波が押し寄せており、それに伴いおひとり様の増加も顕著です。

 

各国の婚姻率の推移はちょっと探せませんでしたが、日本の婚姻率(1000人の内の婚姻者)は約5%で、1960年代の約10%からすると半分程度に減少しています。この値、世界で見ると、日本は中頃みたいですね。日本はあまり動くことはないかも知れませんが、これから先、各国でどうなるかが気になる所です。

 

 

「結婚しない男」に対するとある反応

結婚しない男性に対して、まず聞く言葉が「孤独死するよ」という言葉です。主に既婚者が助言めいて語る言葉ではありますが、これは意外と根深い問題かも知れません。

 

さてこの言葉、男性が言う場合と女性が言う場合で、ニュアンスが異なるのではないかと最近思うようになりました。その点を掘り下げて考えてみようと思います。

 

既婚男性が言う場合

この場合、発言を裏返しすると「結婚していれば孤独死しない」ということになります。また、孤独死をしないということは、妻もしくは子供よりも先に亡くなるという、言わば「遺す側」になるということです。

 

既婚男性が未婚男性にこの言葉を使う場合、少なくとも三つの前提を掲げていることになります。ですが、その前提が崩れた場合には同じく、もしくは更に悲惨になる可能性もあり、こちらも孤独死へ繋がることでしょう。

 

既婚男性が孤独死しない前提条件

1.妻よりも先に逝く

男女の統計上、女性の方が長寿の傾向があります。また、順番が逆になった場合、男性があまり間を置かず後を追う事も多いです。一つには家事能力がないこと、他にコミュニティがないこと、などが挙げられますね。こうなるともちろん独身と変わらず、かえって妻側にコミュニケーションを依存していた場合、辛い老後となる可能性もあります。もっともそれを踏まえて、妻の死後の男性の逝去の速さがあるのでしょう。

 

2.離婚しない

計算方法や考え方に疑問が残りますが、結婚数に対して3割ほどの離婚数があるのは事実。また、婚姻生活が長くとも、離婚しない=幸せということも言えません。熟年離婚数は近年では減少傾向にありますが、これが果たして良い事か悪い事か、簡単には分からないでしょう。

 

3.子供と接触を保つ

これは検証が難しいですね。どうなのでしょう。昔と比べると今は「田舎から出て来る」ということが減って、両親ともども近い都会に住んでいる、ということも、以前より多くなったのではないでしょうか。都会→地方への流出も少なく、一昔前よりも親子が近くにいる可能性が高い、と言えるかも知れません。

 

以上、検証が難しいですが、とりあえず先の三つの前提をクリアできれば、実情はどうあれ「孤独死」のカテゴリからは外れられるのでないでしょうか。ただ、いずれにせよ言えるのは、「孤独死」を避けつつ幸せに暮らすことの難易度が、昔より確実に上がった気はします。それは核家族家や周辺住民とのコミュニケーション量の低下など、社会的な構造の変化の為でもあります。

 

既婚女性が言う場合

ちょっと考えてみましたが、これってあるんですかね。独身女性は色々な意味を含ませて言うかも知れませんが。

 

独身男性

「結婚とかしませんよ」

既婚女性

「孤独死するよ」

 

イメージしてみましたが、あんまりしっくり来ませんね。こう考えてみると、やはり「独身男性は孤独死」は、概ね、既婚男性が発言しているのではないかと考えてしまいます。

 

独身女性

「結婚はしないつもりです」

既婚女性

「えー、可愛いのにもったいないよ!」

 

一方でこれはありそうですね。もちろん、その後で既婚女性同士で群れ合ってあれこれ罵り合うまでがデフォです。

 

参考リンク(墓場ネット)

 

 

孤独死の実態~男性が多いのは事実~

孤独死というと、人知れず亡くなり、死後数日発見されない、という括りのように感じますが実際はどうなのでしょうか。簡単に調べてみると、はっきりした定義はないようですが、概ね世間的なイメージで間違いないと思われます。持病があっても突発的であっても、または例えば冬場に泥酔して寝てそのまま……でも同じ孤独死の範疇となるでしょう。

 

男性が多いのも事実です。男性は一般的にコミュニティが狭いか、仕事での付き合いが主で、それが終了する、もしくは存在しない場合は孤立しやすいのです。また、趣味仲間というのも、結局は第一番目の出会いとして、仕事仲間という所からの派生が多いのではないでしょうか。

 

一つには、仲良くなる事が目的で知り合うのではなく、互いに利己的な動機から始めようとするからです。その中で、言い方は悪いですが「互いに何らかの形で付き合うメリットがある」と認めない限り、友情に発展することは少ないのではないでしょうか。女性だと、話を聞いてくれるのなら誰でもいいという人もおり、知人以上の関係に発展しやすいという事情もあるでしょう。

 

そしてこれも要因の一つなのですが、高齢男性に対して、世間的なイメージが悪いというのも一つの事実です。最近は老害という言葉も良く聞きますが、これは女性より圧倒的に男性の方が多いです。頑固、我儘、傲岸、暴力的、威圧的など、良くないイメージが多く見られますね。そういった人は老若男女に関わらず嫌われますし、そういうレッテルを貼られてしまっている高齢男性は、スタートから不利なのです。私も経験上、正直に言えばあまり関わり合いになりたくありません。

 

こういう事情を踏まえると、「独身男性は孤独死しやすい」はれっきとした事実であり、それを否定することはできません。

 

参考リンク(日本の介護学 様)

最新調査で判明した「孤独死」の実態!孤独死は若年化している⁉40・50代でも孤立の危険が…

 

 

「独身男性は孤独死する」と言うのは誰なのか~まとめ~

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色々考えてみましたが、第一に、それぞれで考えて頂きたいことは、「孤独死は辛い」のかどうか、です。もし誰かが早く発見してくれたら生存することが出来たということでしたら、悔やまれることもあります。しかしながら、孤独死の可能性が高い人の場合、そのような状況の元で一人で長く生きていくよりは、いっそ……という考え方もあるかも知れません。

 

ですが「孤独死」は社会問題であり、不動産としてもその後は心理的瑕疵となり、価値が激減してしまうことは事実です。また、その後の遺族の事後整理、清掃の過酷さなど様々な問題を孕んでおります。社会全体としては疎んじるべき出来事でしょう。

 

「孤独死」への社会的な警戒が強まると、先々、孤独死したくないから結婚するということが、強い動機となって結婚に至ることもあるかも知れませんね。孤独死を個人の問題と捉えるか、社会問題と捉えるか、この問題はまだまだ様相を変えながら取り沙汰されていくことでしょう。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。当記事が何らかの参考になりましたら幸いです。

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