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2019年度の宅建試験を終えて感じるもの

2019年、令和元年の宅建試験が先日、終了しました。今年は受験申込者数が約27,5万、実際の受験者数が約22万人、受験者数は80.0%です。受験者数は数年前より、ほぼ右肩上がりですね。

 

その中でも今年は去年と比べ、申し込みは7000人ほど上回っており、過去と比べてもなかなかの伸び率。

 

これは、令和になって初めての合格者を目指そう、という記念受験者が多かった、のではなく、やはり来年の民法大改正の前に取っておきたい、という方が多かったのかも知れません。

 

もしかすると、今年中にとっておけ」という声を聞いて、ちょっと今まで尻込み・諦めムードでしたが、立ち上がった方もいらっしゃるかも知れませんね。

 

参考リンク(自サイト内リンク)

2018年度の宅建試験を終えて感じるもの

 

 

2019年宅建、注目されるボーダーは

毎年のことながら注目されるボーダー予想。受験が終わったあとの某掲示板などは、まさに祭りという感じで、なかなか面白いものがあります。

 

そして一通りの回答が出そろった後、話題の中心はボーダーへと移ります。

 

さて、自己採点の結果、私は去年と同じ【36点】でした。細かいミスはありましたが、まあ大体こんなものかな、と思います。

 

予想ボーダーは10/22現在、35.36を睨みつつ、36±1、というのが無難な所です。実感、そして生の声としては去年と比べて難化していると感じたのですが、それでも予測が付きません。

 

 参考リンク(宅建速報.com様)

宅建士試験2019解答速報・令和元年度の最新予想合格ライン合格点発表

 

とある一年前のボーダーが35点という年がありました。その翌年、試験は難化しており、ボーダーは35点には届かないという予想がなされていたのですが、結果として出て来たボーダーは35点。噂では32点の可能性もある、と言われていた中で、です。そういうことを考えれば、今年37ももちろん視野に入れなければなりません。

 

しかし、もともとが合格基準点を35点として作られている(とも言われている)試験で、二年連続37点を出してよいものなのか。また、合格者数の考慮(単純に合格者を15%とすると、受験者数が多い以上、合格者数も増えてしまう)はあるのか、それらを考える点でも、今年のボーダー予想はかなり難しいものとなっています。

 

 

上昇傾向の宅建ボーダー

十数年~数年前まではボーダー32~36が続き、36点取ればほぼ確実に安全圏、という試験でした。しかしながら、去年はついにボーダー37点に突入、宅建の新時代を迎えました。

 

また、ここ三年で見れば、35点、35点、37点とボーダーは上に張り付いています。

 

これは、単純に受験生の質が上がったのが原因だと思われます。問題自体は確実に難しくなっています。古い参考書で過去問を見ていると、あたかも自動車免許試験で見るようなレベルの問題も交じっていたりするものですが、最近の過去問では、ほとんどそういうものは見受けられません。

 

かつ、無難そうな選択肢で、たとえば〇〇しなければならないというものに対し、その必要はない(してもいいけど)という形で間違いになることが多くなってきました。昔のものは、本来、〇〇するべきなのに「しなくてもよい」とか一目で分かるものが正解肢だったり、「必ず・常に」は間違いの可能性がかなり高い、という問題の作りでした。

 

そういうのがなくなった結果として、受験生はある程度細かいところまで、数字や語句を正確に覚えておかなければならなくなって来たのです。

 

また、最近は動画活用が一般的になったことや、無料でも質の高い解説動画を見ることが可能になったことも、受験者の質を上げる要因となっています。

 

更に、合格者を受験者の上位15%程度とする必要があることも、近年では合格を難しくさせています。35点以上が合格、などであれば、受験する年との問題との相性で変わりますが、相対的となると、かえって絶対的な力量が常に必要となります。

 

一昔前、宅建は誰でも合格出来ると言われていましたが、その時代は確実に終わりを告げています。過去問を見る限り、平成20年前後を境に、空気が変わったかな、という風に見えます。

 

 

受験年数・経験によって変化する勉強手法

今年の試験は、比較的、重箱の隅をつつくような問題は少なかったように思います。民法は過去問の焼き直しが多かったですが、法令と業法はかなり難しくなり、内容の難化もさることながら、個数当ても多くなりました。

 

そういう意味も含めて、今年の試験に対しては、基礎を固めた上で、過去問をメインにしっかり解いていく、というのが効果的な勉強だったと思います。

 

下手に参考書の細かい数字を追い求めて、という手法があまり実らなかった年ですね。ともすると、各所の模試との乖離も大きかったのではないでしょうか。

 

もちろん基礎力は必要ですが、受験問題によっても相性がある、というのが宅建試験です。自分が確立した勉強が当たる年もあれば、思い切って見直す必要がある年もあり、終わってみなければ分かりません。

 

そういうのを目の当たりにしてしまうと、勉強の仕方がブレてしまう可能性もあります。特に独学だとそういう傾向があるように思えます。

 

来年は、おそらく民法の改正部分が多く出るように思いますが、逆に言えば、そこで改正枠(というのがあるか分かりませんが…)を多く使うとして、他の分野が、過去問の焼き直しの比率が上がるかも知れません。

 

しかし、そんなこともなく、やはり民法は従来通り、思考問題としての傾向を変えず、改正内容を含みながらも、改正を問う、あからさまな問題は少ないかも知れません。いずれにせよ、急務として、現民法がどう変化するか(宅建の試験範囲内で)のボリュームの見極めが大事になりそうですね。変更点だけを重点的に覚えるか、まとめて覚えなおすか、選択が必要になります。

 

覚えることは確かに増えますが、少しずつやっていくしかないです。とはいえ、民法(権利)はもともと点数は狙うべきものではないかも知れません。あまり身構えず、それぞれのペースで対応しましょう。

 

 

墓場ネットの見通し~今年落ちていたらこうする~

まず結果に関わらず、今持っている参考書は全て捨てます(転居もありますし全部108~216円ですし)。

 

参考リンク(自サイト)

墓場ネットによる宅建講座_参考書選びは慎重に

 

こののち、多分ですが、メインとする参考書(らくらく一冊、パーフェクト一冊)を新しい年度のものに中古でアップデート、それからアウトプット手段として、問題集形式のもの(使い捨て)を増やしたいと思います。

 

やっぱり間違えて悔しい、と思う気持ちは強いです。特に仕事をしながらだったり、他の色々なものと合わせて勉強したりすると、恥ずかしいほど、どんどん忘れていってしまいます。

 

今回、一応すべての参考書には目を通していますし、そこそこ覚えていますが、細かいところの詰めが出来ていません。そのくせ、変な所を突っ込んで覚えて、それがごっそり出ていなかった、というのが非常に多かったです。

 

昔と違って、「点数を取るより落とさない」勉強法が大事になって来たので、あれこれ手を出して知識を増やすより、ぎゅっと守備範囲を固めて、徐々に増やしていく方がいいと思いました。

 

また、勉強方法として、後半はネットに頼ることが多くなりました。特にこちら(宅建士合格広場様)のサイトにて法改正・統計など、そしてこちら(宅建過去問徹底攻略様)にて過去問など。また復習したいもの・気になるものはブックマークしておけばいいですし、PCでそれらの分別→メールにて転送→スマホで手軽にチェック、という形も増えて来ました。これで、当日参考書を持ち運ぶこともなく、また、ちょっとした空き時間をさらに有効活用することもできるようになります。

 

過去問集に関しても、多分、どこか一社に完全に絞った方がいいかも知れません。

 

ただ、知識として蓄えていくには、やはり本ではなくウェブのサービスを使い、細かく覚え直しをしていける環境を作ることが、個人的にはあっていると思った次第です。

 

また、長期的に少しずつ勉強を進めるより、そういう環境が作れるのなら、短期で進捗目標を決めて、しっかり進めていく方がいいようにも感じました。特に法令・税・その他の分野は、忘れやすい点もありますので、なるべく受験に近い時期に詰めた方がいいような気もします。

 

 

2019年度の宅建試験を終えて感じるもの~まとめ~

画像転載元(pixabay様)

何でしょうね、今年落ちたらダメージでかい、という意見が多く、確かにその通りだとも思いますが、どうでしょう、みなさん同じ条件ですし、別に今年でも来年でも、そんなに違いはないんじゃないか、みたいに思ってきました。

 

個人的に、今年の出来は良い方でした(勉強時間・環境など総合的に見て)。去年出来ていなかった法改正関連も今年はほとんど押さえて挑めましたし、勉強のやり方なんかも色々考え直す契機になりました。

 

知識・経験を増やしたとして、点数が上がるかは分からない、そういう一面もある試験です。三年前に適当な気持ちで勉強を開始した時とは違い、想像以上に深い世界を見ている気持ちです。

 

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。当記事が何らかの参考になりましたら幸いです。

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