さて、前回の記事「墓場ネット地方移住応援プロジェクト~No1.都市部の問題点~」)を要約すると、「こんな墓場という名の大都会は抜け出して、田舎へ行こう」という内容でした。
参考リンク(自サイト内)
墓場ネット地方移住応援プロジェクト~No1.都市部の問題点~
ただ、誰もが簡単にそれを実行できる訳ではありませんし、そもそも誰にとっても都会が墓場だということもありません。ざっくりと都会暮らし・田舎暮らしに向く人、向かない人という違いが出て来ます。
都会暮らしと田舎暮らし
これらは正反対に近い暮らし、とよく捉えられます。実際はどうなのでしょうか。その地域の都市の度合いにも寄りますが、一つ言えるのは、やはり都市暮らし→田舎暮らしを実行するには、敢えて不便な暮らしに乗り込むという意味で、行動力が必須となります。
一方、逆の流れである、田舎暮らし→都市暮らしは、自然の流れで出来ることもありますし、金銭面さえ確保できれば容易だとも思います。お金さえあれば、とりあえず何でも出来る、都会はそういう感じです。いろんな人がいますので、色々なサービスがあるでしょう。
さて、それで言うと、田舎暮らしの基本として、誰かの力を借りるというよりは、自分で出来ることは自分でやる、というスタンスになります。もちろんお金でサービスを購入することもできますが、しかし、田舎暮らしをしたいという方は、どちらかと言えば自分で色々やってみたい、という考えの方が多いのではないでしょうか。また、この点、田舎はやはり人に頼むと金銭的に高めのように感じますので、自分のことは自分でする、というスタンスが大事になります。
まず、自分で少なからず考え、調べられること、そして新しい環境・知識を前に尻込みせず、苦にしないこと。もし人生の後半に差し掛かって移住を決意しようとなると、これらは思ったよりも大きな壁として立ちはだかるかも知れません。それほどの変化が求められる可能性もあります。
都市暮らしから田舎暮らしへの移住を妨げるもの
これも非常に多いですね。簡単に考え付くものを羅列してみます。
- 人間関係
- その地域の風習になじめるか
- 虫とか雑草とか
- 仕事、金銭
- 健康面(病院施設など)
- 買い物関連
- 仕事関連
- 夫婦ならば養育施設
大雑把に見てもこれくらいあります。もっと細かく言えば大量に出そうです。不安はどこまで行っても払拭することはできないでしょう。
ただ、その中でも一番大きいのが、やはり人間関係だと思います。その他は、どちらかと言えば自分自身の努力や生活スタイルを変えたりすることでどうにかなる可能性がありますが、やはり人間関係、他人をどうにかすることは非常に困難です。
田舎と言っても程度がありますが、まず、抱いてしまいがちなのは、都会と比べて民度が低い、昔の価値観にとらわれているのでは、ということが挙げられるかと思います。ですが、今は全国レベルでテレビや雑誌、それからインターネットが普及されていますので、知識や話題は平均化されています。
民度はどうでしょうか、恐らくですが都会の老人たちと日々暮らしているのなら、問題なく馴染めるのではないでしょうか。人の力ではどうならないことが非常に多くある、ということを折に触れて感じる生活をしていることは、それだけで顕著な気持ちを人に抱かせます。
都会は能力的にも一極集中型、仮にご飯の炊き方を知らなくとも高収入になれますし、社会的なステータスを得ることができます。
そういう素敵な面がある一方で、やはりご飯も炊けないですから、他の面は本当にどうにもならないような人間も多いように思えます。お金で多くの物事が動きますから、その点は田舎とは正反対です。
都会の無関心、田舎の過干渉。その違いもよく話題に挙げられますが、これも結局は他人の問題ではなく、自分の心のありようで、考え方を変えることも出来るのではないでしょうか。
そういう点で、田舎の人間関係というのも、実はその移住者が、本気で「自分が変わろうとしている」かで、いくらか変わって来る部分もあるのではないかと思います。
それでも怖い、村八分
田舎には色々な風習があります。話に聞くだけでも、色々な組織への強制加入、それから労働力の無償提供、そして〇〇をしてはいけない、などという迷信もまだ存在していることでしょう。
そういうのを破ったらどうなるか、そう、村八分です。村人というか周辺住民からの総スカンです。
参考リンク(引っ越しハック様)
私自身、よくよく考えれば二十代の三割近くを、ほとんど誰とも接しない環境で過ごして来たように思います(半引きこもりなので)。そういう意味で、人付き合いが皆無というのは別段気にしません。回覧板もいりませんし、自分のことは大抵自分でできます。時間は無職であっても暇になるということもないくらいには、趣味というか、そういうものは持っています。
ただ、それでも不安はあります。
そう、犯罪関連です。防犯は大事ですし、常に監視されている、監視社会という響きは、非常に気味が悪いです。外出リズムを調べられ、家に居ない間に何かされるのではないか。友人を呼べば周囲から警戒され、宅配便が届いても警戒され。散歩をすれば後を付いてくる、ゴミも調べられる。
これらは果たして杞憂なのでしょうか。ですが、調べれば調べるほど、異質な空間が実在していることは事実です。
村八分になるとして、一般的な村人から村八分になるのは構わないとして、公共機関や警察、市役所類からも冷たくあしらわれるとなると、これは大いに弱ります。本当に小さな集落レベルですと、住民サービスもそれらに乗っ取られている可能性もあります。
ましてや、物流手段として、例えばAmazonからの郵便物が来ない、こちらの配送物が捨てられるとかなると、これは考えものです。加えて、近所のコンビニやらスーパーで買い物できないなどということも、決してあり得ない話ではありません。
今は昔と異なり、多くの市町村が合併しています。村は町になり、町は市になりました。村八分は確かに可能かもしれません。しかし、人口五千人以上(一例)の町から総スカンを食らう、いわんや行政サービスを拒否されるということは、なかなか考えにくいことです。
移住の最低限の条件として、土地があり電気、水道の環境があり、それから街頭や商店街など、生きていく施設があること。それは多くの方の希望だと思います。それだけのものがある場所が、超僻地である可能性は低いでしょう。
それこそ親戚ばかりでの小さい集落のような場所で、多くの方が昔馴染みだったり、兄弟のように育ってきた場所でしたら、確かに村八分というか、移住者への敵対心は出てくるかも知れません。
ですが、それは前もっての調査をそれなりに行っておけば、十分に避けられるリスクです。
本気で移住しようとすると、本当に大変
仕事もある、金もある、さて家族で移住だ、と考える人々と、セカンドライフで移住だ、という人々の考え方では、天と地ほどの違いがあるでしょう。
一番大きな違いとしては「嫌になったら逃げる」が出来るか出来ないかです。家族ぐるみだと、もちろんフットワークは重くなるでしょうし、お子さんが居れば、そちらを守る必要が出て来ます。自分以外の者を守るというのは非常に大変です。
この場合、本気で移住して田舎に溶け込もうとするのなら、もちろん土日や自由時間は、大きく田舎の風習などで奪われることは覚悟しなければいけません。それから、自分たちが疎外されない為に、他の方々を、住人達と一緒になって疎外していかなければならない事態も出るでしょう。
非常に狭い社会です。誰がどんなことをしているのか、すぐに耳に入る社会です。そんな中で、自分たちのプライバシーだけ守ってくれ、は通じないでしょう。多くのことを集落で共有する必要があります。
かつ、それだけのことをしても、移住して数年~十数年そこそこでは、まだ集落の人間として認められない、ということもあります。このあたりは、個人の力ではどうすることも出来ません。運で済ます訳にもいきません。場所の選定はその景観だけではなく、どんな人が住んでいて、どういう風習があるのか、そういう綿密なリサーチが必要となるでしょう。
一番いいのは、新興住宅が立ち並ぶ地に引っ越すことですね。環境だけをシェアして、面倒ごとにはかかわらない。古民家や中古住宅ではなく、新居を構えられるのなら、それも無難な選択肢だと思います。
それぞれの方のスタンスで、「移住できる候補地の条件」を作成していく必要があると思います。
私自身もその内、しっかりと細かく条件を考えていく必要があると思います。ただ、私は嫌になれば逃げればいい、という、いわゆる隠れ家というか、一時の住処としてしか考えておりませんので、もちろん本気で移住する方と比べて非常に緩いものになるかと思います。
しかし、やはり一種の憧れはあります。そういう「いつかの可能性」を考えての思考を持って行動していこうとは考えています。
墓場ネット地方移住応援プロジェクト~No2.田舎への恐怖感~まとめ~
私自身のイメージになりますが、日本全国は広いですが、都市と呼ばれているのはごく一部(5%くらい)で、市や町レベルが30%。そして、その中に人口の95%くらいが住んでいます。
残りの住居空間の65%に、田舎暮らしと呼ばれる5%の人々が暮らしています。
都会とは違った癒しもありますが、もちろんストレスもあるでしょう。しかし、それを受け入れて共存していくことは、決して避けられない必要なことなのです。
以上、まだまだ自分なりの考えが多く、具体的ではありませんが、田舎への恐怖感に関する私なりの記事でした。最後までお読み頂いてありがとうございます。