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恐怖! 実録! 本当にあった怖い(?)話 by 墓場ネット(後編)

なんだかんだで書いていたら長くなりましたので、前後編に分けさせて頂きました。前編でも記載させて頂きましたが、オチらしいオチはありませんので、ご了承下さい。

 

改めて文にしたものを読み直しても、やはり怖いとかそういうのはないかも知れません。ただ、私は本当に怖かったのです。若いからかも知れませんが……。とはいえ、現在、同じ状況に出くわしてもやっぱり恐怖を感じるのではと思います。

 

前回の続きになります。

 

前編

恐怖! 実録! 本当にあった怖い(?)話 by 墓場ネット(前編)

 

 

山の中の公園(後編)

気の持ちようでしょうか、月明りに照らされる木々の枝、葉の揺らめきさえ何やら意思を持ったもののように感じられました。

 

街灯はありませんが、月の光が出ており、それだけでも歩けないことはありません。加えてカーライトもあります。明るさはそれなりに保たれています。

 

運転に意識を集中させる必要がありますが、狭い道ですので、対向車は来ないか、そして後続車が来ていないか、そんなこともぼんやり考え始めます。さすがにこんなにゆっくり走っていると、先に行って欲しいと思うものですから。

 

そのくらいゆっくり進んでいました。

 

さて、目的地までもう少しです。ナビでは確かに公園のように表記されていたと思います。少なくとも道路は、うねりながらもそこまで通じており、そして確かな空間(ナビでは緑色の四角の公園系の表記)にたどり着くはずなのです。

 

どんなところなんだろう、と期待に胸が膨らみます。夜景が見える公園だったらいいなとか、まあ誰もいないだろうから、そこをベースにのんびり散策しようとか、そういう呑気なことを考えていました。

 

「目的地に到着しました」

 

ほぼ道の途中です。カーナビのくぐもった機械音が、不意に目的地への到着を告げました。もともとナビの精度はそんなに高くありません。

 

この先に駐車場なり、まあ広場があるのだろうと思い、静かに最後の傾斜を上り切ります。すると、道は行き止まりのようでした。道の形状を例えるなら、丸型フラスコのような形ですね。ぐるりと入り口を囲むように木々が茂っているように見えました。

 

入口から奥までは5メートルほどです。車を降り、ライトを手に周囲を見て回ります。

 

公園は? 街灯は?

 

私はそれらを探します。しかし、私の目に飛び込んで来たのは、静かに佇む「墓」だけでした。一基ではありません。それらは入り口の私の車を囲むように、約7~10基ほど設置されていました。

 

約7~10と書いたのは、とても数える余裕がなかったからです。一つ正面の墓を見て、それから左右にライトと視線を向けて、そして見える墓、墓、墓。

 

あ、何かやばい。目が自然と見開かれ、体中から汗が噴き出るのを感じました。反射的に、急いで車に乗り込みます。そして即座にエンジンをかけます。しかし、どういう訳か何度やっても掛かりません。キーを何度回してもカチカチとなるだけです。

 

おい、ふざけんな! さすがに叫びました。

 

車内に満ちる、青白いカーステレオの光が車内の窓に反射し、鏡面のような視界を作り出します。リアガラスに果たして何が映っているのか、などと考えると、とてもそれを凝視する余裕はありません。ただ、エンジンを掛けることに必死でした。

 

それから時間にして十数秒後、ようやくエンジンが掛かりました。バックと切り返しを繰り返し、進路反転。……あとは前だけを見つめて坂道を必死に下りました。後ろは振り返りません。

 

そして広い道まで出て、近くのコンビニに寄って一休止。事が過ぎてしまえば、結局、何だったんだろうな、という自身への嘲りさえ感じられます。

 

心地よい疲労と安堵感。それでも、何かを成し遂げたかのような不思議な達成感がありました。

 

しかし、そんな私を更に「嘲笑うような現実」がそこにありました。

 

車の窓・ボディの至る箇所に、無数の手跡が付いていたのです。ひっかこうとしたもの、掴もうとしたもの、手跡からでも、それがどういう行為をしようとしていたのか、ありありと見て取れるようです。全身に鳥肌が立ちました。そのどれもが運転席に向かって手を伸ばしているような位置合い、形だったからです。……などという「嘲笑うような現実」はありません。何から何まで、出発当時の私の車の外観のままです。

 

以上、それだけのお話でした。ただ、その後のお話が、ちょっとだけあります。

 

その後のお話

気を取り直し、夜の観光(仮)を続けました。

 

その際、付近で有名な、手入れの行き届いた神社のようなもの(特徴を書くと特定される可能性がありますので、表現はぼかします)に、やはりこっそりお伺いしたのですが、その時、奇妙な生き物を見ました。

 

猫のようなのですが、柄がパンダみたいな生き物です。白ブチの猫と言われればそれまでですが、ブチの数が多く、綺麗な円・楕円であるように見えました。白地に、綺麗な黒丸がいくつもあって、所作なども何か猫とは思えなかったんですよね。

 

確か写真を取ったのですが、やはり暗闇でブレていました。まあ普通の猫だとは思うのですが、未だにあの光景は脳裏に焼き付いてます。まあ、やっぱり猫ですよね。午前四時の神社ネコです。あんな体験(?)をした後だから、変な気分だったのでしょう。

 

でも、あれはネコじゃない別の生き物だ、そんなロマンチックな気持ちを残したまま、ここで筆を置こうかと思います。

 

 

山の中の公園_あとがき

ちなみに、車のエンジンが掛からなかったのは、車の前の持ち主(私が購入したのは中古車でした)の運転の影響で、アクセルを吹かしながらでないとエンジンが掛かりにくくなる時がある、と判明致しました(普段は問題ないのですが、ドライブ中、エンジンを止めて、十数分以内に再びエンジンを掛けようとするとそうなることが時折ありました)。

 

以上、最後までお読みいただいてありがとうございました。午前四時に不思議な猫をお見掛けされましたら、ご注意下さいませ。それはきっと……やっぱり猫なのかな?

 

ちなみに墓場ネットは怖い話が好きです。気分転換に読んだり、ちょっと日常とは異なる世界を覗きたい(疲れた時)時などに読むと、いろいろと感情を刺激されて、やる気が出てきたりします。

 

参考リンク(怖い話.com様)

有名な怖い話一覧

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