発売は2006年ですので、十年以上前のキットですね。MGが2009年に発売され、最近はガンタンク初期型というものも出ています。さて当キットの作りは非常にシンプルで、素組でパチパチ作るだけでしたら本当にすぐ終わります。パーツ数も少なく、大きいものが多いので、どんどん組み上がります。
ただ、しっかり作ろうとすると、それなりに大変です。まずはキャタピラへのスミ入れが面倒です。合わせ目の処理もかなり面倒です。合わせ目に関しては、面積が広いのに加えて段差が頑固です。
いつもは一度の処理で、完全に消えないまでも、個人的には気にならないレベルにまで消せるのですが、今回はちょっとそれでは足りませんでした。処理後、改めて上から接着剤(出来る人はパテを盛ったりするのでしょうが)を塗り、乾燥後、ペーパー掛けをしています。
改修するべきポイント
フェイス横の赤いアンテナ(?)のシャープ化ぐらいでしょうか。動かしてポーズを付けるものでもありませんので、可動性は気にしていません。腰もヘッドも砲塔も横方向にはほぼ動きません。設定でもキャタピラの無限軌道を活かして、機体の向きを変えて戦うというスタイルのようです。
参考リンク(wiki)
他、MGのキットを見ていて気が付いたのですが、砲塔の下部にモールドがありますので、それをまねて、市販パーツを使用してそれらしく貼り付けています。これは本体完成後、後から気が付いたので筆塗りとなってしまいました。また、もっと該当パーツを削るなどして、薄くしてから貼り付けるべきだったとも思っています。
今回の改修点
先に挙げたシャープ化と市販モールドを貼り付けたくらいで、基本はほとんどストレート組みです。
カラーリング
青色部分はやや色合いを薄めて、少し水色に近い色合いを出しました。また、本来、キャタピラは本体グレイと同じ色なのですが、関節色(メタリックブラック+ホワイト+α)に変更しています。
合わせ目処理が必要なところ(容易部分→単純モナカ箇所)
本体胸部(青、赤共に)
全体的に面積が広く、ガッツリと頑固なものが出てしまいます。処理しやすいと言えばしやすいのかも知れませんが、かなり大変です。
肩部
外側のお椀のような形状をした箇所もですが、その内部もです。これがなかなか厄介で、外側のお椀部で内側を挟み込むような形になりますので、後ハメのようにして(ダボの削り込みなど)、内部は内部、外のお椀はお椀で処理し、塗装して、その後にハメています。
肘関節あたり
処理しやすいですが、面積が広く、パーツ自体が小さく、面倒です。
土台(青色部)
即部に合わせ目が出ますが、キャタピラで隠れます。前後も目立たないので、特にやる必要もないかも知れません。
砲塔
モナカです。
合わせ目処理が必要なところ(困難部分)
フェイス部のみ
色々と面倒ではありますが、後ハメのような要領で、問題なくいけるかと思います。
コクピット部が別色で、パイロットの塗装などありますので、できればここを外して、先に白色の所だけを合わせ目処理したいところです。コクピット部の背面ダボを短く切り、あとから挿入できるようにして、別々に塗装、完成させます。
この時、ポリキャップを入れておくかが、難しいところです。普通に考えれば、白色部を接着する時に一緒に入れ込んでおくものだと思うのですが、私はポリキャップの存在を失念しておりm間違って入れ忘れたまま完成させてしまいました。正直、かなり絶望したのですが、コクピットを取り外し、ポリ・コクピットを挿入し、無事に完成させることができました。
塗装で気を付けたいところ
基本は成型色通りですので、パチパチ組んでもいい感じに出来上がります。異なるのはパイロットと、あとは細かい所ですが、本体の首が入る、土台の長方形の所がグレイのようです。
今回、それに気付かず本体色(青色)のまま、部分塗装もせず完成させていますが、そう見える箇所でもありませんので、悔しいですが目を瞑ることにしました。
部分塗装が必要そうなところ
コクピットとパイロット
一色ですので、細かい所ですが何とか塗装したい箇所です。
腕の先っぽの黒い長方形
今回はスミイレ用のガンダムマーカーで塗装しています。数が多く、面倒です。
製作フロー
- パーツの切り出し
- 紙ヤスリにてランナー処理、及び面積の広いパーツへのペーパー掛け
- 接着剤による合わせ目処理(処理の容易な箇所)、一回では消せない所が多かったので、もう一度上から接着剤を付けて、処理しています
- 洗浄と乾燥
- 一パーツごとに、持ち手を付けて、エアブラシにて水性ホビーカラーにて塗装(全パーツ二度塗り)
- 部分塗装、ディティールアップ塗装など
- ガンダムマーカー(ブラック・グレイ・ブラウン使用)にてスミ入れ
- マークセッターを用いて、市販の水転写デカール貼付
- エアブラシにてつや消しを塗布
- 乾燥後、擦り合わせ(ねじって塗料を削ったり、塗料をデザインナイフで削り出したり)した後、組み立て。メタルボールやメタルビーズを入れ込み。
- 完成!
作業への感想・所感など
総評
大きな失敗もなく、コツコツと製作することが出来たと思います。大振りなキットですが、コツコツと、ちょっとした手を加えたくなる、そんなキットです。
反省
前述しております、砲塔下部のモールドにもっと早く気が付いていれば、もう少し綺麗に違和感なく取り付けられたかも知れません。あとは首下のグレイへの塗装忘れです。ただ、そう大きな箇所でもありませんので、両方ともそこまで気にしていません。
また、今回はキャタピラの色を変えての製作でしたが、これも一長一短あります。色の対比のせいか、もしくは位置合いのせいか、何と言うかキャタピラの存在感が薄まっているように感じてしまいます。また、統一感という点でも少し逸れてしまいますね。
キットへの感想・所感
500円前後で購入できました。素晴らしいです。しっかり作ると、見た目以上に手が掛かるかと思いますが、個人個人での改造のやり甲斐もあり、汚しからもっとリアルなカラーへの変更など、かなり楽しみ方の幅の広いキットだと思います。
最新の技術を使用すればもっとしっかり、手軽なものが出来るかと思いますが、これはこれで完成したスタイルだとも思います。ですので、リバイブされるのも難しいかな、と思う次第です。どことなくジオングを製作したときと同じような感想を抱きました。
参考リンク(自サイト)
HGUC 1/144 MSN-02 ジオング 製作・塗装レビュー
また、現在ガンタンク初期型を製作中ですが、こじんまりとして引き締まっているのもいいですね。何だか可愛らしくなってきます。
参考リンク(自サイト)
HG 1/144 RTX-65 ガンタンク初期型 塗装・製作レビュー
「HGUC 1/144 RX-75 ガンタンク 塗装・製作レビュー」まとめ
今からすると古さも感じ、きちんと作るには手が掛かるかも知れませんが、味わいのあるキットです。やりがいを求める方や、各種技術を高めたいという方にもオススメしたいキットです。
苦労して完成させたものを眺めていると、ガンタンクの見方が少し変わるのではないでしょうか。
以上、HGUC 1/144 RX-75 ガンタンク 塗装・製作レビューでした。最後までご覧になって頂き、ありがとうございます。